居住用として賃借した物件内で商売をした場合など当初の契約目的と異なって使った場合、賃貸借契約を解除され、出ていかなければいけないのでしょうか?
コロナ禍も経験し、賃借物件内で商売を行った人も多いと思います。
今回は、契約の目的と異なり、物件内で商売を始めた場合について考えてみます。
裁判所の立場としては、賃借物件内で商売を始めたとの一事をもって、直ちに、賃貸人は解除をすることができるのではなく、その契約関係の基礎にある当事者間の信頼関係が破壊されたと言える程度になった場合に初めて解除をすることができるというものです。
信頼関係が破壊…わかったようなわからないような…ですね。
では、具体的にどのような場合でしたら「信頼関係が破壊」されたとして解除が認められるのでしょうか。
この点、自室内で細々とオフィスワークをしたり、人の出入りの殆どないような商売をする程度では、賃貸借契約の解除は難しいと考えます。
しかし、風紀上問題のある商売である場合(東京地判昭63年12月5日)や、物件自体を損傷する恐れのある商売が始まった場合は、解除をすることができるのではないかと考えます。